観劇感想文

演劇や映画の感想や考察/思ったこと感じたこと

舞台「鬼滅の刃」感想

どうもこんにちは。

 

先日、タイトルにもある通り 舞台「鬼滅の刃」を観劇してきたので、感想をまとめていこうと思います。

演出等のネタバレ含みますので、これから観劇予定の方や、DVD等を購入後試聴される方は、ご注意ください。

 

 

【ざっと感想】

 

ストーリーは原作の第1話から始まり、那田蜘蛛山の手前、藤の家紋の家での治療を終え屋敷を出たところまで描かれていましたが、

少女を喰って髪飾りをコレクションする沼の鬼はまるまるカットされていました。

上演時間は、途中15分(だったかな)の休憩を挟み、2時間40分。

カットされていた話があるとはいえ、短い上演時間でかまぼこ隊まで出さなきゃいけないとなると大変だったろうに…。

脚本・演出の末満健一さん、ありがとうございました。(泣いた)

 

上演開始30秒くらいで、「あ、これは凄いやつだ」と確信。

止まらない鳥肌。

原作の序盤のモノローグの多さを歌で表現しており、原作のスピード感は失われず演劇という形に見事に落とし込んでいました。

てっきりストレートプレイだと思っていたので驚きましたが、そう来るか!

ただ、ミュージカルかと問われればそうではない、というバランス感が不思議な感覚です。

舞台版オリジナルのテーマソング(タイトルが分からない)はとても格好良くて、でも少しゾッとする雰囲気の曲でした。

 

全体的な演出としてプロジェクションマッピングは多用されていましたが、所々アナログな部分もあり、抑揚のある演出で見ているだけで楽しかったです。

手鬼がまさか巨大な人形で下手から登場するなんて思っていなかった。

あれはプロジェクションマッピングで来るだろうなと思いますやん。

実物でくるとめちゃくちゃ気持ち悪かったです。

矢印の鬼 矢琶羽との戦いでは、目に見えない矢印は長い布を黒子が操って炭治郎に絡ませたり引っ掛けたりしていました。楽しい演出!

 

 

キャラクターの完成度の高さも驚きました。

特別声や顔が似ていないなと思うキャストでも、始めに出てきた瞬間から「生きている」という感覚にさせてくれて、一気に作品の世界観に入り込むことができました。

 

 

そして、着替えがハイパー多い!笑

炭治郎役の小林亮太さん、禰豆子役の髙石あかりさん、無惨様役の佐々木喜英さん以外のキャストは、コロコロ役が変わる。(多分あってると思うんですが1回しか観ていないので間違ってるかも?)

「え、アンサンブルの人数ってこんなに多かったっけ?」と思ってよく顔を見ると、善逸役の植田圭輔さんや、愈史郎役の佐藤永典さんたちがいた。

こ、怖い。さっきまで善逸とか愈史郎とかだったじゃん。

 

メインとなるキャラクターのキャストですらそんな感じなので、アンサンブルの方はもっと忙しそうでした。

そして、公式HP等には書かれていませんが作中に玄弥、カナヲ、矢琶羽、朱紗丸が出てきました。

サプライズが過ぎる。

玄弥が出てきた時は驚きと喜びで表情筋がえらいことになっていたと思います。

原作本誌での玄弥を思い出して情緒の波がすごかった。

玄弥は森田力人さん、カナヲは珠世役の舞羽美海さん(自信ないけど合ってるはず)、矢琶羽は星乃勇太さん、朱紗丸は西分綾香さんが演じられていました。

みなさんハマり役で目玉が飛び出るほど素晴らしかったです。

 

超個人的ですが、星乃さんが矢琶羽役だったのが死ぬほど嬉しかったです。

以前観にいった舞台で星乃さんを拝見したことがあって、そこから好きな俳優さんだったというのと、アニメで矢琶羽を演じていた福山潤さんが声優さんの中でダントツに好きで矢琶羽も好き、という完全に私得な配役でした。

矢琶羽と朱紗丸が客席の通路を通って登場するのですが、私の座席のすぐ横の通路を矢琶羽が通り、ちょうど目の前で止まって演技をしていたので、申し訳ないのですが舐め回すように見てしまいました。

衣装が美しく、手のひらの目も細かくて、本当に気持ち悪かった(絶賛)です。

矢琶羽さん、ずっと目を閉じて動き回っていたのですがどうやって前を見ていたのでしょうか…。

 

キャスト一人当たりの仕事量がえげつない。

きっと、この作品一番の鬼は脚本・演出の末満健一さんではないでしょうか。

 

 

 

【キャストについて少々】

 

*竈門炭治郎 役/小林亮太さん

本当に出ずっぱりなので、絶対大変。

公演終わったらゆっくり休養をとっていただきたい。

演技はもちろんのこと、歌も上手いし(炭治郎なのに 笑)、ダンスも殺陣も上手い。

表現力がそれはそれは凄まじくて、ああ炭治郎。

包容力のある優しい、でも力強い声をしていました。炭治郎だ…。

小林さんの真っ直ぐな演技は、炭治郎の真っ直ぐさをより際立たせていました。

 

*竈門禰豆子 役/髙石あかりさん

禰豆子、鬼となってからはずっと口に竹を咥えているじゃないですか。

実際に人間が同じように竹を咥えて動き回るなんてとても苦しいと思うんですが、髙石さんはやってるんですよね。

なにか仕組みがあるのでしょうか?

穴が開いてて呼吸しやすくなっているとか…?

戦うときの姿勢がすごく低くて、あれはもう鬼そのものでした。

鬼になる瞬間が非常に怖くて、物語は知っているのに衝撃的で悲しかったです。

 

*冨岡義勇 役/本田礼央さん

一言で言う。かっこいい。

「笑止千万」の歌めちゃくちゃかっこいいんですが、1曲の間に何回「笑止千万」と言っているのか気になりました。

炭治郎とのシーンが歌になるなんて考えていなかったよ。

個人的には顔も声も原作・アニメにそっくりって訳ではないと思っているのですが、何故か、どこからどう見ても冨岡義勇なんですよね。

役者ってすごいなぁ。

知ってはいたのですが本田さん、安定して身体能力の化物でした。こわい。

 

*嘴平伊之助 役/佐藤祐吾さん

いやっ、本当に「ムキムキの体に女の顔が乗っかってる」!!!www

パンフレットの写真なんて、原作からそのまま出てきた伊之助で大爆笑しました。

佐藤さんは見た目の特徴からして伊之助だった…

 

*我妻善逸 役/植田圭輔さん

善逸の汚い高音って、下野紘さん以外にも出せる人いるんですね…。

私が観にいった公演は、善逸が騒ぐたびにクスクス笑いが起こっていました。わかる。

怯え方といい、声といい、善逸そのもの。

鼓の鬼 響凱の館で善逸が眠って覚醒するシーンは、数秒前とは空気感ががらりと変わって鳥肌が立つ程ぴりぴりしていました。

植田さん、すごい。

鼓の館で禰豆子の箱を置き去りにされたときの炭治郎の「あれは命より大切なものなのに」の台詞の時の善逸を観て泣きそうになり、禰豆子の箱を伊之助から守るシーンの歌でボロボロ泣きました。

善逸、好きだ〜〜

善逸は歌を歌う回数が多くて……嬉しかったです。

 

*鬼舞辻無惨 役/佐々木喜英さん

こっわい。本当にこっわい。

舞台版は無惨様が鬼を操っているシーンから始まるのですが、その時点で怖い。

ハマりすぎていて恐ろしい。

佐々木さんは本当に、こう…影のある役や悪役が似合いますね。

舞台版が今後シリーズ化して続いていくようになったら、やがてこの無惨様と戦うことになるんでしょ?(その際は続投してください)

勝てなくないですか??確実に死が待っている。

 

 

 

【まとめ】

 

舞台化が発表されたときは「ま〜た人気作品を舞台化っすか、なんでもかんでも舞台化すればいいと思ってるんちゃうんか」とか抜かしていました。

大変申し訳ございませんでした。

本当に行ってよかったなぁと思う作品でした。

鬼滅の刃が好きな方で、舞台版に少しでも興味がある方は行って損はしないんじゃないかと思います。

演出面での好き嫌いはあると思いますが、お勧めできる作品です。

 

続編、待ってます

響はじ凱
響凱